業務内容

契約書作成

契約書作成・チェックのご相談について

 各種契約書や定型約款について、一からのドラフト作成、あるいは取引先から提示された契約書のチェックを行います。
 一度企業法務に精通した弁護士に契約書のチェックを依頼すれば、契約書のチェックを依頼しないことがどれだけリスクの高いことか、よく分かります。
 弁護士は定型的な契約書のひな形をお渡しするだけでは終わりません。訴訟になった場合の立証責任や想定される賠償や保証の範囲、目的物に何らかの欠陥が生じた場合の対応範囲について、個別具体的にアドバイスいたします。契約内容が適法か否かのチェックをすることが必要なのはもちろんですが、当該企業や業界慣行をよく理解したうえで、どこまで有利な契約なのか、不利な契約なのか、許容できる範囲なのか否かを、一緒に考えます。
 また、単なる法的知識やリスクの指摘にとどまりません。具体的な交渉の方法やメールの打ち方も含め、貴社が取引をスムーズに開始することをサポートします。

解決事例

事例
1

 OEMビジネスの取引基本契約書の添削を依頼された例

事案概要

 新たにOEMビジネスをスタートしようと考えています。先方から契約書のひな形が送られてきましたので、念のため確認をお願いします。

解決方法

 契約書のひな形が送付されてきた場合、通常、相手方に有利な条項が多々含まれます。そのまま押印するのは危険です。
 取引相手が大きな企業の場合は契約書の変更に応じてはくれないように思われるかもしれませんが、そのようなことばかりではありません。互いにとって必要だからこそビジネスがスタートしますので、意見を伝えることに遠慮をしてはいけません。納期、原材料の提供、二次下請けの可否、クレーム対応をどちらが行うのか、いずれも当方の実情や現実の運用に即した修正を提案し、その修正の理由も誠実に説明をすれば、取引相手も応じることが多くあります。
 必要に応じ、弁護士から修正案と修正の理由をお送りいたします。顧問弁護士から修正をした方がよいと言われたと言っていただければ結構ですので、修正案と修正の理由をメールに添付して送信してはいかがでしょうか。

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事例
2

 人材の出向契約書の作成を依頼された例

事案概要

 取引先から人員を受け入れることになりました。当社の弱点を補完すると同時に、取引先との交流を図る目的もあります。出向受け入れを経験するのははじめてなのですが、どのような契約書を作成すればよいでしょうか。

解決方法

 通常出向といえば、取引先の会社に籍を残したまま来ていただく在籍出向をさしますが、言葉としては取引先との雇用関係を終了させ来ていただく転籍出向もあります。まずは、取引先が希望している出向の内容、期間、そして一番大切な出向の費用について、協議が必要です。
 また、当該従業員と取引先とのトラブルに巻き込まれてもいけませんので、取引先には当該労働者の承諾書取得もお願いしましょう。例えば出向が終了したあとの労働条件がどうなるのか、出向期間が退職金算定や有給休暇算定の際にどのように取り扱われるのか、トラブルが起こらないように、きちんとすりあわせをお願いしましょう。
 そして、受け入れた際に行っていただく業務内容、出向期間、出向期間変更の方法、勤務時間と休憩時間、時間外労働時間のルールを具体的に記載していくことになります。社会保険は出向元が負担し、労災保険は出向先が負担するなど、当然とも思える内容もできる限り具体的に明記していきます。
 また、出向社員が出向後にきちんと働いているのか、互いの目的に沿っているのか、密な情報交換が必要となります。人間が動くことですので、そこには感情もあれば、体調や精神状態の変動もあり、想定どおりいかないことも多々あります。例えば月に一度業務内容と評価を企業間で情報交換をするなど、出向を受け入れっぱなしにするわけではなく、互いにとって意味のある契約にする必要があります。
 また、取引先との人的交流を目的とする場合には、出向が1回きりで終わるのではなく、継続的に出向社員を受け入れることができるよう、出向期間終了後の、その次の出向契約の結び方についても定めておくとよいでしょう。

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事例
3

 定型約款のリーガルチェックを依頼された例

事案概要

 ホームページで商品を販売することになりました。取引のたびに契約書を締結することもできませんので、約款という形で契約のルールを定めようと思います。文案を作りましたので、リーガルチェックをお願いします。

解決方法

 約款は、個別に契約書を締結しないような契約、例えば電車に乗るときの運送約款、車の保険や生命保険に入る際の保険約款など、我々が日常生活していくうえで不可欠な契約にも存在します。実際に運送約款や保険約款をしっかりと確認する人はまれで、内容を認識しないまま日々契約が締結されたことになっているのが実情です。
 2020年4月1日施行の改正民法でも定款について明記されましたので、消費者の関心も集まっています。民法548条の2第2項では、「当該定型取引の態様、その実情、取引上の社会通念に照らして信義則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められるもの」については、合意がないもの(効力を有しないもの)とします。内容が不当であったり、不意打ちであってはいけないことはもちろんですし、特に重要な事項についてはチェックリスト方式にして確実に消費者に読んでいただくことなど、ユーザーインターフェース面での工夫も必要です。
 そして、定型約款を契約の内容とする旨の合意だけではなく、将来的に定型約款を変更する際のルールも伝える必要があります。改正民法548条の4第1項では、顧客一般の利益に適合する場合や、変更が契約の目的に反せず、かつ、変更に係る諸事情に照らして合理的な場合には、定型約款の変更も認められるとされています。文言は抽象的ですので、今後どのような場合に定款約款の変更が認められるのか、裁判例の蓄積を待つこととなりますが、顧客にとって必ずしも利益にならない変更については、事前にインターネットで周知をするなど、誠実な取引を行う必要があります。
 このように、定型約款については改正民法の内容も踏まえながら、ホームページの構成やユーザー側からどのように見えるのかという視点からもリーガルチェックが必要となります。
 弁護士と一緒に定款を作成し、さらにホームページ作成や構成、使い勝手についても弁護士からアドバイスを受けてください。

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事例
4

 スマートフォンアプリ作成の契約書作成を依頼された例

事案概要

 新規事業を興すために、スマートフォンのアプリ開発を業者に委託することになりました。GPS機能を用いてお客様に利用していただくことを想定しております。先方から送付された契約書のひな形はインターネットでダウンロードできるもので、実態に即していないように思うのですが、そのまま応じてよいものでしょうか。

解決方法

 スマートフォンのアプリ開発は中小様々な事業者が行い、その業務内容も一律ではなく、契約書もあまり定型化されておりません。しかしアプリケーションの所有権や著作権、使用するシステム、後日の保守点検費用やトラブル時の対応、費用支払いや完成の定義、Androidとアップルストアそれぞれの申請手続を誰がどのように行うかなど、定めるべき事項は多岐にわたります。
 あわせて、対顧客との関係では個人情報の取得や課金の方法、商品販売の方法に関するリーガルチェックや約款の作成が必要となります。
 このような非定型的な契約書の作成は顧問料の範囲外となる場合もありますが、リーガルコストは軽視してはならない必要な経費です。弁護士にご相談いただければ、契約書作成やリーガルチェックの見積もりを提示させていただきます。

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事例
5

 土地の賃貸借契約の改定、公正証書作成を委託された例

事案概要

 土地を借り、建物建てて店舗を運営しておりましたが、土地の所有者がお亡くなりになったそうです。新たに賃貸借契約書を締結する手間を考え、相続人の一人である長男と賃料支払いの覚書を締結しようと思うのですが、それで大丈夫でしょうか。

解決方法

 土地の所有者がお亡くなりになった場合、土地を相続した方と新たに賃貸借契約を作り直す方がベターです。また、当面の土地の賃料を相続人のどなたの口座に振り込めばよいのかも、各相続人と協議が必要です。いつも窓口であった長男でいいだろう、などと考えて振り込んでおりますと、気がつけば相続紛争に巻き込まれていたということにもなりかねません。
 早急に相続人に連絡を取り、遺産分割協議の状況を尋ね、今後の賃料はどうすればよいのか、お預けした敷金や保証金はどうなるのかを確定してください。場合によっては法務局で賃料を供託し、早期に弁護士を窓口に切り替えることも検討してください。
 また、借地借家法ができ、昔契約書を締結したころとは法律が変わっています。経済情勢も変動しています。この機会に、今後の店舗運営期間を考慮して、定期借地契約への切り替えと賃料減額の提案をするなど、互いにメリットのある契約の提案を検討してもよいかと思います。

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事例
6

 商品の特殊性からオリジナルの取引基本契約書を作成した例

事案概要

 当社は植物を扱っており、工業製品とは異なり天候や季節で入荷の時期や量が左右されたり、商品納品後も取り扱い方によって不具合がでることがあります。納品先との取引基本契約書をどのように作成すればよいでしょうか。

解決方法

 取引基本契約書は画一的なものにする必要はありません。特に取扱商品が特殊なもので、事前にトラブルが想定される場合は、契約書に個別具体的にその場合の対応を盛り込み、カスタマイズすることで、紛争を未然に防ぐことができます。今回でいえば、入荷時期が遅れたとしても賠償責任を免れる、あるいは仮に賠償責任を負うとしても商品代までに限定をするなどの条項を盛り込むことが考えられます。また、納品後に商品が傷んだ場合に、取り扱い規定を遵守して頂いていない場合は補償できないとの条項を盛り込むことが考えられます。
 商品の特殊性を取引基本契約書に盛り込むことで、取引相手にも注意点を説明することができ、スムーズで信頼できる取引をスタートすることができます。

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事例
7

 業務提携の協議の前に、秘密保持契約を作成した例

事案概要

 当社はホームページで商品を販売しているところ、今まで当社の競合相手だと思っていた大手企業から、業務提携の打診がありました。先方の意図がまだ読み切れませんが、話し合いのテーブルにはつこうと思います。しかしこちらの情報を提供をすることで、ノウハウだけ盗られてしまうのではないかと心配しています。何かいい方法はないでしょうか。

解決方法

 業務提携の検討を行う際に機密情報を守る手法としては、秘密保持契約の締結が考えられます。自社の秘密情報を開示する際に、その目的、期間、秘密の範囲などを定め、互いに秘密を遵守させる内容とします。
 秘密保持契約の契約書は、文言が抽象的で、紳士条項(相手が約束を守ることを信頼して行う約束で、実際に約束に違反した際のペナルティや強制力がない条項)にならざるを得ない場面も多くあります。
 漫然とひな形を用い合意するのではなく、実際に秘密を漏洩した際にどのように当該契約書が生きるのかを意識して作成する必要があります。特に情報を開示する側の場合、自社が何にこだわっているのか、どの情報を流用されたら困るのかを契約書上も明記し、場合によっては条項違反に対する損害賠償額も明記するなど、実効性を担保する努力が必要です。今回のご相談でいえばホームページの構成や情報、SEO対策やリスティングなどの顧客獲得のノウハウ、そして顧客情報などが考えられます。
 但し、どれだけ厳密な秘密保持契約を締結したとしても、一度提供した情報を完全に消し去ることはできません。自社の根幹となるような重要な情報は、相手を信頼しすぎず、提供をしないという物理的な防衛策も重要となります。

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事例
8

 売掛金について、取引先からの分割納付の求めに応じ、合意書を作成した例

事案概要

 取引先の経営状況が悪化し、代金の分割納付の申し出がありました。当社としましても長年付き合いがありましたし、狭い業界では人情も大切になりますので、強硬手段までは執りたくはありません。しかし何も書面に残さないわけにもいきませんので、分割払いの覚書を作成して頂けないでしょうか。

解決方法

 経営状況の悪化などに伴い、代金を分割で納付して頂くしかない場合も発生します。そのような場合には、ただ漫然と先方の支払いを待ち続けるわけにはいきません。たとえ分割納付に応じるとしても、書面にて合意書を作成しておくべきです。
 また、その際に、ただ単に支払い方法を残すべきではなく、物的担保(抵当権や動産譲渡担保)、人的担保(連帯保証人)を取得すべきかどうかも、あわせて検討することになります。
 取引先やその代表者が土地や建物を所有している場合、未払いの売掛金債権を担保するために、抵当権を設定することが考えられます。抵当権は、銀行から住宅ローンを借り入れる際につけるイメージが強いかもしれませんが、売掛金債権を担保するために抵当権を設定することも可能です。また、「既に銀行の抵当権がつけられているので、2番目の抵当権では意味がない」と思える場面も多いかと思いますが、仮に第1順位の抵当権者が存在する場合であっても、第2順位の抵当権者となることにまったく意味がないわけでもありません。第1順位のローン残高がほとんど残っていないことも考えられますし、また、自宅を守りたいとの心理から第2順位であっても優先的に返済を受けることもあり得ます。抵当権設定を希望する場合は速やかに司法書士と連携を取り手続を進めていきますので、ご相談ください。
 また、連帯保証人を要請すべきことも考えられます。連帯保証人については民法の改正も相次ぎ、正確な知識を合意書に反映させる必要があります。例えば個人根保証契約については必ず契約締結時に責任の限度額を定めが必要です。また、やはり個人根保証の場合は情報提供義務も必要です。但し、例えば民法改正により事業資金の連帯保証契約では公正証書を作成することが原則として必要、とされましたが、あくまで事業資金の場合であり、今回のような売掛金債権の回収に関しては適用されません。連帯保証人制度は法改正の多い分野ではありますが、未だ債権回収の有効な手段ともなっております。活用の際は契約書が無効とならないように、弁護士にご相談ください。
 また、不動産や連帯保証人以外にも、工場内の機械や什器備品などの特定の動産類も、担保の目的物とすることができます。動産譲渡担保と呼ばれ、債務者が機械や什器備品を使用した状態のまま担保を取ることができることに特徴があります。民法上占有改定(民法183条)と呼ばれる方法を取ることとなりますが、外形上は変化が分かりません。当該機械類を差し押さえた第三者や、買い取った第三者とトラブルが起きてはいけませんので、実務上はネームプレートなどを小さく貼り付け、担保目的物になっていることを表示することで対応をします。さらには、倉庫内で日々仕入れと出荷が繰り返される在庫商品であっても、担保の目的とすることができます。集合動産譲渡担保、と呼ばれ、取引先が破産をした場合などに大きな力を発揮します。
 そのほか、分割の合意書には遅延損害金をどうするのか、何回支払いが遅れたら訴訟を提起するのかなど、細かな要件を定めていく必要があります。適切な回収を図るためにも、具体的な、目的に沿った合意書を弁護士とともに作成してください。

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事例
9

 顧客様の情報の利用方法を契約書に反映させた例

事案概要

 建築業を営んでおります。フェイスブックに施行した建物をアップしたところ、お客様から個人情報侵害を理由に削除して欲しいとの要請がありました。もちろんすぐに削除しましたが、これも時代の流れかと思いますので、今後類似のトラブルを防ぐためにどのように対応すればよいかアドバイスをください。

解決方法

 個人情報保護法では、個人情報を、「生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述などによって特定の個人を識別できるもの(他の情報と容易に照合することができ、それによって特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)、または個人識別符号が含まれるもの」と定めます。しかし条文だけでは抽象的で、何が個人情報にあたるのか判然としません。
 氏名や住所、電話番号はもちろん個人情報にあたることに争いはありません。また、例えばどこに住んでいるのかがわかるような建物の写真ならば、やはり個人情報に該当するかもしれません。個人情報に関するトラブルはその時々の時流も反映され、また、年代や地域にも考え方の違いがあり、必ずしも自分の常識が正しいとも限りません。個人情報保護委員会の最新のガイドラインも参考にしながら常に細心の注意を払う必要があります。
 例えば最初に締結する業務委託契約書の中に、個人情報の取得条項を入れ込むことが考えられます。また、例えばブログに掲載させて頂くご許可を頂いたお客様には3%引き、ホームページでインタビューを掲載させて頂くご許可を頂いたお客様には10%引きなど、新たなサービス提供の1つにつなげることも考えられます。
 今まで使用していた契約書の見直しを図り、よりよいサービスを提供するよい機会と捉え、顧問弁護士とともに改訂作業を行ってください。

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事例
10

 刑事被害弁償の示談書を作成し、同時に万引き等のトラブル対応のマニュアルを作成した例

事案概要

 小売店を営んでおりますが、万引きの被害に遭いました。警察に届け出をしましたら、本日、両親から依頼を受けたとの弁護士から示談の申し入れがありました。示談書を手渡され、弁護士からは2日以内に返事が欲しいと言われておりますが、この内容で示談をしてもよいものでしょうか。

解決方法

 刑事事件の場合、身柄拘束期間が定められております。そして実務上、身柄拘束期間の終盤に起訴をするか否かの判断をすることとなります。示談の成否は検察官が起訴をするのか不起訴をするのかを決める際の重要な要素となりますので、弁護人が短い期間内で返答を求めることにも理由があります。
 もちろん被害者である店舗側は示談をする義務はありません。会社として、何に応じて、何に応じないのかを決める必要があります。例えば、被害商品を再度店頭に並べるわけにもいかないので、被害商品分の弁償は受けてもよいでしょう。警察への取り調べ対応等の人件費まで求めるかは企業によって対応は分かれますが、求めない企業の方が多いかと思います。
 分割払いに応じるのか否か、応じるとしてその条件をどうするのかも決める必要があり、また、通常弁護人から提示される示談書には「店舗側が罪を軽くすることを望む」という趣旨の一文が入りますが、この一文の削除を要請するか否かも決める必要があります。
 本件の経験をもとに、組織としてのマニュアルを作成し、画一的な対応ができるように整備しましょう。

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