ブログ

Blog

尋問時の服装

弁護士 森田祥玄

裁判所で尋問を行う際、どのような服装がよいのでしょうか。

 やはり裁判官にありのままの真実を知って頂くべきでしょうから、弁護士が服装を指導をしすぎるのもよくない、との思いはあります。普段どおりが一番、という考えもあるだろうと思います。

 しかし私は、通常は、フォーマルな格好で来て下さい、とお願いすることにしています。長い紛争の記録に真摯に向き合う裁判官に対する一定の敬意を持つべきだろうという思いもあり、スーツである必要まではありませんが、一般的に違和感を覚えない格好をして頂いた方がよいだろうと思います。

 事案によって服装をどうするかは様々です。被害者のいるような案件の場合、あまりに派手な格好をして、被害者がどのように受け取るかを考える必要があります。また、金銭の支払を請求されている案件でブランド物を多数身につけていたら、尋問後に裁判官が示す和解案に微妙な心理的影響を与えるのかもしれません。どちらが嘘をついているのか分からないまま尋問になるような案件では、やはり身なりを整え、真摯に裁判官に真実を訴えるべきでしょう。

 裁判官が見た目で結論を変えるのか、というと、形式的にはそのようなことはないという回答になります。しかし裁判官も人間です。印象も軽視してはいけませんし、自分からあえて不利な行動を取る必要はありません。気になるようなら、担当されている弁護士にも相談をして下さい。