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インターンシップ・エクスターンシップ生の受け入れ
弁護士 森田祥玄
令和2年2月の2週間、私のもとへ名古屋地区の法科大学院の学生が、エクスターンシップ生として来て下さいます。
私は平成28年、平成29年、平成30年、令和元年と4年間、名古屋地区の法学部の学生のインターンシップ生を受け入れておりますが、今回初めて、法科大学院生の学生を受け入れます。
インターンシップとエクスターンシップがどう違うのかですが、インターンシップの大きな目的の1つに、志望する職業を知ることで、ミスマッチを防ぐことがあります。他方、エクスターンシップは、既に志望する職業(私のもとに来て下さる方の場合は弁護士)が決まっており、当該職業に対する理解を深めることが目的とされております。
インターンシップに来た法学部の学生は、「弁護士は毎日示談交渉を行うのだな。心が疲弊する仕事だな、やめておこう」と選択することができますが、エクスターンシップの学生には、「弁護士は毎日示談交渉を行うのだな。やりがいのある楽しそうな仕事だな」と思って頂く必要があります。進路選択のためではなく、既に選択した進路(弁護士)について理解を深めるという点に、特徴があります。
インターンシップやエクスターンシップを受け入れることは弁護士にとって光栄なことであり、周りの弁護士も、インターンシップやエクスターンシップを受け入れることができるということは、きちんとした弁護士なのだろう、との評価を与えてくださっていると(勝手に)思っています。少なくとも私は、インターンシップやエクスターンシップを受け入れている弁護士のかたに対してそういう思いを持ちます。
私は昔ながらの示談交渉と訴訟手続・調停手続を行う弁護士ではありますが、数年後には様変わりしている業務を数年後に弁護士になるかたに見ていただいても仕方がないのではないか、という悩みはあります。
弁護士が日々扱う紛争類型も、時代の流れにより大きく移り変わりがあります。私が弁護士になった当時は過払金返還請求や破産申立の件数が多数ありましたが、現在は減少しております。また、交通事故の裁判は今も増加傾向にありますが、自動運転の影響が何年後に出てくるのかの予想は難しいところがあります。今は相続や離婚に注力する弁護士が増えておりますが、裁判所が発表する統計上は件数としてそれほど増えているわけではありません。他方、世界の人口は未だに増え続けており、従前とは異なる弁護士需要が存することもまた事実です。
また、私の業務は移動時間が多くを占めております。現在担当している裁判だけでも、名古屋だけではなく、一宮や春日井、津島、瀬戸等の裁判所の案件もあります。また、岡崎、半田だけではなく、岐阜や四日市、津の裁判所の案件も係属しております。移動時間が多いという私の業態は、私は電車で本を読めるのでとても好きな業態なのですが、現在進められている裁判のIT化で数年後には大きく変わるだろうと思います。
エクスターンシップに来て下さる方には、将来の弁護士業界が様変わりしている前提で、将来も変わらないであろうと私が予測する弁護士業務の楽しさやつらさ、心構えをお伝えできればと考えております。
依頼者の皆さまにご迷惑をお掛けすることがないよう責任を持って担当させていただきますので、何卒ご理解の程、お願いいたします。